Softrock Lite II 05_BPF
BPF部
概 要
トロイダルコアに線を巻く場合、線がコアを1回通過した状態を1巻きとしてカウントします。
こちらの章を参考にしてください。トロイダルコアの巻き方
動作原理
このステージの目的は、受信バンド帯域内のRF信号をミキサーステージに供給し、目的外の信号を減衰させることにあります。
ハイバンドでは1/3ハーモニックサンプリングをする為には、この減衰機能が非常に重要になります。この減衰機能が無い場合、例えば20mバンドでは、意図している3倍の14.0475MHzより、むしろ基本波である4.6825MHzに共振してしまいます。
BPF部回路
(抵抗テストポイント (ヘアピン頂部、若しくは左側のリード) は、回路上で赤い印が付いています。)
(クリックすると全体の回路図が表示されます。)
(上記回路図には、クリック可能な部分があります。関連する情報を見ることが可能です。)
BPF部品表
詳細部品表
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C03 | バンド固有 | その他 | BPF | |||
❏ | C04 | バンド固有 | その他 | BPF | |||
❏ | L1 | バンド固有 | その他 | BPF | |||
❏ | L1-コア | バンド固有 | その他 | BPF | |||
❏ | T1 | バンド固有 | その他 | BPF | |||
❏ | T1-コア | バンド固有 | その他 | BPF |
160mバンド固有部品
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C03 | 390 pF 5% | 391 | セラコン | BPF | ||
❏ | C04 | 5600 pF 5% | 562 | セラコン | BPF | ||
❏ | L1 | 19.6 uH 67巻 #30 T30-2 (37") | コイル | BPF | |||
❏ | L1-コア | T30-2 トロイダル コア | 赤 | トロイダル | BPF | ||
❏ | T1 1次 | 1.4 uH 18巻/2x8巻 バイファイラ巻 #30 T30-2 (30cm) | トランス | BPF | |||
❏ | T1 2次 | 8巻 | 赤 | トロイダル | BPF |
80mバンド固有部品
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C03 | 220 pF 5% | 221 | セラコン | BPF | ||
❏ | C04 | 3300 pF 5% | 332 | セラコン | BPF | ||
❏ | L1 | 9.1 uH 46巻 #30 T30-2 (64cm) | コイル | BPF | |||
❏ | L1-コア | T30-2 トロイダル コア | 赤 | トロイダル | BPF | ||
❏ | T1 1次 | 0.73 uH 13巻/2x6巻 バイファイラ巻 #30 T30-2 (26cm) | トランス | BPF | |||
❏ | T1 2次 | 6巻 | 赤 | トロイダル | BPF |
40mバンド固有部品
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C03 | 100 pF 5% | 101 | セラコン | BPF | ||
❏ | C04 | 1500 pF 10% | 152 | セラコン | BPF | ||
❏ | L1 | 5.0 uH 38巻 #30 T25-2 (43cm) | コイル | BPF | |||
❏ | L1-コア | T25-2 トロイダル コア | 赤 | トロイダル | BPF | ||
❏ | T1 1次 | 0.35 uH 10巻/2x5巻 バイファイラ巻 #30 T25-2 (18cm) | トランス | BPF | |||
❏ | T1 2次 | 5巻 | 赤 | トロイダル | BPF |
30mバンド固有部品
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C03 | 68 pf 5% | 68J | セラコン | BPF | ||
❏ | C04 | 1000 pF 5% | 102 | セラコン | BPF | ||
❏ | L1 | 3.5 uH 36巻 #30 T25-6 (41cm) | コイル | BPF | |||
❏ | L1-コア | T25-6 トロイダル コア | 黄 | トロイダル | BPF | ||
❏ | T1 | 0.28 uH 10巻/2x5巻 バイファイラ巻 #30 T25-6 (18cm) | トランス | BPF | |||
❏ | T1 2次 | 5巻 | 黄 | トロイダル | BPF |
20mバンド固有部品
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C03 | 47 pF 5% | 47J | セラコン | BPF | ||
❏ | C04 | 680 pF 5% | 681 | セラコン | BPF | ||
❏ | L1 | 2.5 uH 30巻 #30 T25-6 (36cm) | コイル | BPF | |||
❏ | L1-コア | T25-6 トロイダル コア | 黄 | トロイダル | BPF | ||
❏ | T1 1次 | 0.18 uH 8回巻/2x4巻 バイファイラ巻 #30 T25-6 (15cm) | トランス | BPF | |||
❏ | T1 2次 | 4巻 | 黄 | トロイダル | BPF |
15mバンド固有部品
確認 | 部品記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
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❏ | C03 | 56 pF 5% | 56J | セラコン | BPF | ||
❏ | C04 | 390 pF 5% | 391 | セラコン | BPF | ||
❏ | L1 | 1.0 uH 19巻 #30 T25-6(26cm) | コイル | BPF | |||
❏ | L1-コア | T25-6 トロイダル コア | 黄 | トロイダル | BPF | ||
❏ | T1 1次 | 0.18 uH 8巻/2x4巻 バイファイラ巻 #30 T25-6 (16cm) | トランス | BPF | |||
❏ | T1 2次 | 4巻 | 黄 | トロイダル | BPF |
BPF部 - 取付概要
- バンド固有コンデンサの取り付け
- バンド固有コイルL1を巻き、取り付ける
- バンド固有コイルT1を巻き、取り付ける
- BPFステージのテスト
BPF部 - 詳細取付方法
基板裏面
基板表面
バンド固有コンデンサの取付
バンド固有コンデンサ C3 と C4 を取り付けます.
参照 バンド固有値表
確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C04 | バンド固有 | その他 | |||
❏ | C03 | バンド固有 | その他 |
バンド固有コイルL!の巻き方及び取付
バンド固有 コイル, L1を取り付けます.
こちらも参考にされてください トロイダルコアの巻き方
バンド固有値詳細
参照: バンド固有値表-
部品表注記
バンド固有の巻き数だけ、固有のコア上にAWG #30の線で巻きます。例; "38T #30 T25-2 (43cm)"とは、 43cmのAWG #30の線を用いて、T25-2コア上に38回巻くことを意味しています。 -
巻き数カウント
コアの中心を1回通過した場合に1巻きとしてカウントします。 -
トロイダルコアの巻くスペースが必要巻き数前に無くなった場合は?
時々トロイダルコアの巻くスペースが、必要巻き数以前に無くなってしまう場合があります。その場合は、すでに巻いてある部分に等間隔で残りを巻くことができます。KB9YIG Tony Parksによると性能的にはなんら問題無いとのことです。 -
コイルの向き
L1 は、垂直に取り付けます。リード線により支えられます。 -
リード線の準備
コイルを取り付ける前にエナメル線の両端のコーティングを剥がしておいてください。エナメルの剥離の仕方には二通りあります::- 紙やすりで擦り、半田で薄くコーティングする。
- ワット数の高い半田ごてとペーストを使い剥離させ、半田で薄くコーティングする。
確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
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❏ | L1-コア | バンド固有 | その他 | |||
❏ | L1 | バンド固有 | その他 |
バンド固有 T1を巻き、取り付ける
T1が正しく取り付けられていない場合、殆ど受信出来ないぐらい感度が低下しますので、このトランスの章を注意深く読んで正しくトランスを取り付けてください。
又、トロイダルコアの巻き方 も参考にしてください。
-
バンド固有トランスの詳細
参照 バンド固有値表 (又は上述の部品表を参照ください) -
部品表注記
巻き数表記は:"nn回/2 x mm回 バイファイラ巻 #30" Txx-x (LLcm)"となっています。 即ち:- トロイダルコア Txx-xと、長さがLLcmのAWG #30の線を用いて一次コイルをnn回巻きます
- 次にLLcmの線を半分に折り、一次コイルの上にmm回巻きます
-
一次巻線
一次巻線は、バンド固有の回数巻いてください。できるだけ巻き始めと巻き終わりの場所がほぼ一緒になるように、均一にAWG #30線を巻くようにしてください。 -
二次巻線
2次巻線は、一次と長さが同じAWG #30を用いますが、二つ折りにし、3cmあたり、2〜3回捻り、一次の上にバイファイラ巻きにします。バンド固有の巻き数だけ巻いてください。時計回りの巻き方向で、巻き始めと巻き終わりが一次とほぼ一緒になるように、均一に巻いてください。 -
巻線にIDタグを付ける
コアから約3mmの位置で各リード線に半田コーティングをしてください。テスターで二次巻線の2本の線の導通を測りどちらの端がどちらの端と繋がっているか確認します。計6本のリード線のペアが分かるように工夫してください。下図では、ペアに絶縁チューブを被せることにより判別できるようにしています。 -
トランスの向き
下記の図を参照ください。巻線の片方を[a]とします(巻き始め側)。それに対応するもう片方を[b]とします(巻き終わり側)。 - 下の写真では一次用ホール(P)と二次用ホール(S)に[a]と[b]を付加していますので、分かりやすくなっています。
- 例:
- 一次巻線の[a]リードは、Pの左穴に入ります。
- 一次巻線の[b]リードは、Pの右穴に入ります。
- 二次巻線の最初の線の[a]リードは、S1の左に入ります。
- 二次巻線の最初の線の[b]リードは、S1の右に入ります。
- 二次巻線の次の線の[a]リードは、S2の左に入ります。
- 二次巻線の次の線の[b]リードは、S2の右に入ります。
- リード線を基板ホールに通す場合、近接部品と絡まないよう気をつけてください。
確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
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❏ | T1-コア | バンド固有 | その他 | |||
❏ | T1 | バンド固有 | その他 |
BPF部 - 完成ステージ
基板表面
基板の裏面
BPF部 - テスト
目視検査
テスト環境
良好な光源と拡大鏡を用いて注意深く半田付けした箇所を検査し、ブリッジ、イモ半田、接触不良等が無いかチェックします。
トランスの半田面には特に注意してください。半田付け不良がありますと、受信感度に大きな影響を与えます。.
コイル導通テスト (電源無し)
テスト環境
このテストでは、L1からT1の一次巻線までの導通をテストポイント(赤でPの文字)を用いて確認します。実際半田付けした箇所から導通を確認してください。
同様に、T1の二次巻線の導通をテストポイント(赤でSの文字)で確認します。
テスト測定値
テストポイント | 単位 | 公称値 | 筆者の測定値 | 実際の値 |
---|---|---|---|---|
P−P間 | Ω | 0 | 0 | _______ |
S−S間 | Ω | 0 | 0 | _______ |
電圧テスト
テスト環境
電圧を加え、各ポイントでGNDに対する電圧を測定します。テスト測定値
テストポイント | 単位 | 公称値 | 筆者の測定値 | 実際の値 |
---|---|---|---|---|
R1 ヘアピン側 |
DC V | ~2.5 | 2.47 | _______ |
R2 ヘアピン側 | DC V | ~2.5 | 2.47 | _______ |
抵抗テスト (電源無し)
テスト環境
基板への電源を外し、T1 二次巻線とグランド間の電圧を測定します。テスト測定値
テストポイント | 単位 | 公称値 | 筆者の測定値 | 実際の値 |
---|---|---|---|---|
R1 ヘアピン側 |
ohms | ~800 | 803 | _______ |
R2 ヘアピン側 | ohms | ~800 | 803 | _______ |
フェーズテスト (電源無し)
テスト環境
オプショナルテスト - 2CHオシロとバンド固有中心周波数に近い信号を発生できるSGがある場合のみ測定可能です。
- 基板の電源はOFFの状態で本テストを行ってください
- 基板のANT-in とANT-RETホールに、中心周波数に近い2V P-P以下の信号源を接続してください。
- チャンネル1でトリガーするようにオシロを設定してください。
- オシロのプローブをR1とR2のヘアピンに接続し、グランドクリップを基板のGNDに接続します。
- 振幅が同じで位相が逆の2つの信号が見えるはずです。位相が同じ場合は、チャンネル1でトリガーしていないと思われます。どちらかの信号が出てない場合は、T1の半田付け箇所をチェック願います。
- 本テストを行ったくれた Leonard KC0WOX に感謝します。