Softrock Lite II 03_ディバイダー
ディバイダー部
概 要
このステージでは、基板裏側の残り全ての部品を取り付けます。残り全部のSMTチップコンに加え、ミキサーIC(U3)とディバイダーIC(U2)も取り付けます。
.通常ミキサーIC(U3)は、別章の[ミキサーステージ]で取り上げるべきなのですが、2つのIC用パッドの距離が近い為、[ドライバーステージ]で取り付けを行います。
U3のテストは、[ミキサーステージ].まで延期します。
.動作原理
ディバイダーは、局発から出力を入力として受け入れ、周波数が1/4で位相が互いに90度異なる2つの信号に分割します。
U2は、1/4同期分割になるように配線設定されており、局発からの信号を受け取ります。同期クロック方式により、全ステージは同時にスイッチングされ、スイッチング中に発生するノイズを減らしてくれる可能性があります。
ディバイダーは、2つの出力をクロックミキサーであるU3に供給します。U3が正しく動作しているかどうかは下記の表にあるディバイダー出力を受信機でモニタすることにより確認することができます。
バ ン ド | ディバイダー出力周波数 |
---|---|
160m | 1.843 MHz |
80m | 3.525 MHz |
40m | 7.056 MHz |
30m | 3.375 MHz |
20m | 4.6825 MHz |
15m | 7.015 MHz |
注意 1: ビート音がCWかSSBモードの受信機から聞こえてきます。アンテナ端子にリード線を接続し、一方の先端を本基板のU2近辺にもってきます。
注意 2: キャパシタンス負荷により、実際は上記周波数より若干低目に聞こえる場合があります。
ディバイダー回路
(抵抗テストポイント (ヘアピン頂部、若しくは左側のリード) は、回路上で赤い印が付いています。)
(クリックすると回路全体が表示されます)(上記回路図には、クリック可能な部分があります。関連する情報を見ることが可能です。)
ディバイダー - 部品表
詳細部品表
確認 | 部品記号 | 部品 | 記 号 | カテゴリ | 向き | 備考 | Circuit |
---|---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C14 | 0.01 uF | SMT 1206 | ディバイダー | |||
❏ | C15 | 0.01 uF | SMT 1206 | ディバイダー | |||
❏ | C16 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ディバイダー | ||
❏ | C17 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ディバイダー | ||
❏ | C18 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ディバイダー | ||
❏ | C19 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ディバイダー | ||
❏ | C21 | 0.01 uF | SMT 1206 | ディバイダー | |||
❏ | hdw1, 2 | ネジ、ナット、スペーサー 固定金具 | HDW | 一式 | ディバイダー | ||
❏ | U2 | 74AC74 Dual D FF | 74AC74 | SOIC-14 | ディバイダー | ||
❏ | U3 | FST3253 mux/demux switch | FST3253 | SOIC-16 | スイッチ | ディバイダー |
ディバイダー - 組立概要
- 残りのSMTチップコンを全部取り付ける
- U3を取り付ける
- U2を取り付ける
- 固定金具を取り付ける
- ディバイダーステージのテストをします
ディバイダー - 詳細組立
基板の裏側
SMTチップコンの残り全部を取り付ける
このステージでは、残り全てのSMTチップコン(パスコン用)を事前に取り付けます。
上記基板図では、0.1 uFチップコンのランドは、白く表示されています。それらのチップコンは、黒帯が付いたパッケージに入っています。
黄色のランドが、 0.01 uFチップコン用です。
SMTチップコンを半田付けする場合、近接のスルーホールに半だが飛ばないようにしてください。後に半田付けする部品のスルーホールが塞がらないように最新の注意を払いながら半田付け願います。危険にさらされる可能性があるスルーホールを上図で赤印を付けておきました。予防策としましては、先を尖らせた爪楊枝等を挿入しておきながら半田付けする方法もあります。危険にされされるスルーホールは、下記のチップコンと関連があります:
- C14 (右隣の、T1の2次用スルーホール)
- C18 (右下のR9の胴体側用スルーホール)
- C19 (右下のR10の胴体用スルーホール)
- C21 (上のR11のヘアピン側用スルーホール)
確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
❏ | C14 | 0.01 uF | SMT 1206 | |||
❏ | C21 | 0.01 uF | SMT 1206 | |||
❏ | C15 | 0.01 uF | SMT 1206 | |||
❏ | C16 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ||
❏ | C17 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ||
❏ | C18 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 | ||
❏ | C19 | 0.1 uF | 黒帯 | SMT 1206 |
U3を取り付けます
レイアウト上の関係で、U3はU2を取り付ける前に取り付けてください。このミキサーは、 後のステージでテストすることになります。
>確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
❏ | U3 | FST3253 mux/demux switch | FST3253 | SOIC-16 | ESD対策を講じてください |
U2を取り付けます
74AC74 (U2) を基板下側にあるSOIC-14ピンランドに取り付けます。ESD対策を講じてください。
>確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
❏ | U2 | 74AC74 Dual D FF | 74AC74 | SOIC-14 | ESD対策を講じてください |
基板表面
固定金具を取り付けます
この時点で、ネジ、スペーサー、ワッシャー、ナットを取り付けても構いません。
ネジの頭が基板表になるようにして、スペーサー、ワッシャー、ナットの順に取り付けます。
確認 | 回路記号 | 部品 | 記号 | カテゴリ | 向き | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
❏ | hdw1,2 | 固定金具一式 ビス、ナット、スペーサー、ワッシャ | HDW |
ディバイダー - 完成ステージ
基板表面
基板裏面
ディバイダー - テスト
目視検査
テスト環境
良好な光源と拡大鏡を用いて注意深く半田付けした箇所を検査し、ブリッジ、イモ半田、接触不良等が無いかチェックします。
ディバイダーICのピン接合部分には細心の注意を払ってください。必要であればフラックスを用いて接合部を半田ごてでナメてください。過度に半田が残ってしまった場合はウイック等で吸い取ってください。
(測定値は、Leonard KC0WOXの好意により提供されています。)電流測定
テスト環境
- 電源供給線のプラス側に100Ωの抵抗を直列に入れ、DC 12Vを加え電流を測定します
- 電流制限抵抗を取り除きます
- DC 12Vを加え電流を測定します
測定値
テストポイント | 単位 | 公称値 | 筆者の測定値 | 実際の値 |
---|---|---|---|---|
100Ω電流制限抵抗有り | mA | < 20 | 18.0 | _______ |
電流制限抵抗無し | mA | < 25 | 18.1 | _______ |
電圧テスト
テスト環境
U2の各ピンとグランド間の電圧を測定します。ランド側でなく、実際U2のピン上での電圧を測定してください。
予想される電圧は、下記の表に示してあります:
- 5V (4.5 〜 5.4の間)
- 2.5V (5Vラインの約50%の値)
測定値
テストポイント | 単 位 | 公 称 値 | 筆者の測定値 | 実際の値 |
---|---|---|---|---|
Pin 1 | DC V | 5 | 4.9 | _______ |
Pin 2 | DC V | 2.5 | 2.48 | _______ |
Pin 3 | DC V | 3.5 - 4.5 | 4.1 | _______ |
Pin 4 | DC V | 5 | 4.9 | _______ |
Pin 6 | DC V | 2.5 | 2.47 | _______ |
Pin 7 | DC V | 0 | 0 | _______ |
Pin 8 | DC V | 2.5 | 2.48 | _______ |
Pin 9 | DC V | 2.5 | 2.48 | _______ |
Pin 10 | DC V | 5 | 4.9 | _______ |
Pin 11 | DC V | 3.5 - 4.5 | 4.1 | _______ |
Pin 12 | DC V | 2.5 | 2.47 | _______ |
Pin 13 | DC V | 5 | 4.9 | _______ |
Pin 14 | DC V | 5 | 4.9 | _______ |
ディバイダー - 出力
テスト環境
- ディバイダーは、ミキサーステージ用のQSDクロック信号を提供します。バンドとQSDクロック周波数との関係は以下の通りです:
- 160m: 1.8432 MHz
- 80m: 3.515 MHz
- 40m: 7.056 MHz
- 30m: 3.375 MHz (ミキサーは実際には3次ハーモニックの10.125 MHzを使用)
- 20m: 4.6825 MHz (ミキサーは実際には3次ハーモニックの14.0475 MHzを使用)
- 15m: 7.015 MHz (ミキサーは実際には3次ハーモニックの21.045 MHzを使用)
- ディバイダーは、局発周波数を4で割り、2つの位相が互いに90度異なる局発の1/4の周波数を供給します。
- ハム用受信機をQSDクロック周波数に同調させ、アンテナ端子に接続したワイヤー線を下図のQSD clk_0 とclk_1に近づけるとビート音を聞くことができます。