ディバイダー部

概  要

このステージでは、基板裏側の残り全ての部品を取り付けます。残り全部のSMTチップコンに加え、ミキサーIC(U3)とディバイダーIC(U2)も取り付けます。

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通常ミキサーIC(U3)は、別章の[ミキサーステージ]で取り上げるべきなのですが、2つのIC用パッドの距離が近い為、[ドライバーステージ]で取り付けを行います。

U3のテストは、[ミキサーステージ].まで延期します。

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動作原理

ディバイダーは、局発から出力を入力として受け入れ、周波数が1/4で位相が互いに90度異なる2つの信号に分割します。

U2は、1/4同期分割になるように配線設定されており、局発からの信号を受け取ります。同期クロック方式により、全ステージは同時にスイッチングされ、スイッチング中に発生するノイズを減らしてくれる可能性があります。

ディバイダーは、2つの出力をクロックミキサーであるU3に供給します。U3が正しく動作しているかどうかは下記の表にあるディバイダー出力を受信機でモニタすることにより確認することができます。

バ  ン  ド ディバイダー出力周波数
160m1.843 MHz
80m3.525 MHz
40m7.056 MHz
30m3.375 MHz
20m4.6825 MHz
15m7.015 MHz

注意 1: ビート音がCWかSSBモードの受信機から聞こえてきます。アンテナ端子にリード線を接続し、一方の先端を本基板のU2近辺にもってきます。

注意 2: キャパシタンス負荷により、実際は上記周波数より若干低目に聞こえる場合があります。

ディバイダー回路

(抵抗テストポイント (ヘアピン頂部、若しくは左側のリード) は、回路上で赤い印が付いています。)

(クリックすると回路全体が表示されます)Dividerschematic

(上記回路図には、クリック可能な部分があります。関連する情報を見ることが可能です。)

ディバイダー - 部品表

詳細部品表

確認部品記号部品記     号カテゴリ向き備考Circuit
C140.01 uF SMT 1206  ディバイダー
C150.01 uF SMT 1206  ディバイダー
C160.1 uF黒帯 black stripeSMT 1206  ディバイダー
C170.1 uF黒帯 black stripeSMT 1206  ディバイダー
C180.1 uF黒帯 black stripeSMT 1206  ディバイダー
C190.1 uF黒帯 black stripeSMT 1206  ディバイダー
C210.01 uF SMT 1206  ディバイダー
hdw1, 2 ネジ、ナット、スペーサー 固定金具HDW  一式ディバイダー
U274AC74 Dual D FF74AC74 74AC74SOIC-14  ディバイダー
U3FST3253 mux/demux switchFST3253 FST3253SOIC-16  スイッチディバイダー

ディバイダー - 組立概要

ディバイダー - 詳細組立

基板の裏側

Divider Bottom View

SMTチップコンの残り全部を取り付ける

このステージでは、残り全てのSMTチップコン(パスコン用)を事前に取り付けます。

参考 SMTチップコンの取り付けヒント

上記基板図では、0.1 uFチップコンのランドは、白く表示されています。それらのチップコンは、黒帯が付いたパッケージに入っています。

黄色のランドが、 0.01 uFチップコン用です。

SMTチップコンを半田付けする場合、近接のスルーホールに半だが飛ばないようにしてください。後に半田付けする部品のスルーホールが塞がらないように最新の注意を払いながら半田付け願います。危険にさらされる可能性があるスルーホールを上図で赤印を付けておきました。予防策としましては、先を尖らせた爪楊枝等を挿入しておきながら半田付けする方法もあります。危険にされされるスルーホールは、下記のチップコンと関連があります:

  • C14 (右隣の、T1の2次用スルーホール)
  • C18 (右下のR9の胴体側用スルーホール)
  • C19 (右下のR10の胴体用スルーホール)
  • C21 (上のR11のヘアピン側用スルーホール)

確認 回路記号 部品 記号 カテゴリ 向き 備考
C14 0.01 uF SMT 1206  
C21 0.01 uF SMT 1206  
C15 0.01 uF SMT 1206  
C16 0.1 uF 黒帯 black stripe SMT 1206  
C17 0.1 uF 黒帯 black stripe SMT 1206  
C18 0.1 uF 黒帯 black stripe SMT 1206  
C19 0.1 uF 黒帯 black stripe SMT 1206  

 

 

U3を取り付けます

レイアウト上の関係で、U3はU2を取り付ける前に取り付けてください。このミキサーは、 後のステージでテストすることになります。

参考 SMT ICの取り付けヒント

Install U3 photo
確認 回路記号 部品 記号 カテゴリ 向き 備考
U3 FST3253 mux/demux switch FST3253 FST3253 SOIC-16  
ESD対策を講じてください

 

 

U2を取り付けます

74AC74 (U2) を基板下側にあるSOIC-14ピンランドに取り付けます。ESD対策を講じてください。

Install U2 photo
確認 回路記号 部品 記号 カテゴリ 向き 備考
U2 74AC74 Dual D FF 74AC74 74AC74 SOIC-14  
ESD対策を講じてください

基板表面

Divider Top View

固定金具を取り付けます

この時点で、ネジ、スペーサー、ワッシャー、ナットを取り付けても構いません。

ネジの頭が基板表になるようにして、スペーサー、ワッシャー、ナットの順に取り付けます。

確認 回路記号 部品 記号 カテゴリ 向き 備考
hdw1,2 固定金具一式 ビス、ナット、スペーサー、ワッシャ HDW  

ディバイダー - 完成ステージ

基板表面

View of Completed Top

基板裏面

View of Completed Bottom

ディバイダー - テスト

目視検査

テスト環境

良好な光源と拡大鏡を用いて注意深く半田付けした箇所を検査し、ブリッジ、イモ半田、接触不良等が無いかチェックします。

ディバイダーICのピン接合部分には細心の注意を払ってください。必要であればフラックスを用いて接合部を半田ごてでナメてください。過度に半田が残ってしまった場合はウイック等で吸い取ってください。

(測定値は、Leonard KC0WOXの好意により提供されています。)

電流測定

テスト環境

電圧テスト

テスト環境

U2の各ピンとグランド間の電圧を測定します。ランド側でなく、実際U2のピン上での電圧を測定してください。

予想される電圧は、下記の表に示してあります:

Voltage Tests

測定値

テストポイント 単   位 公   称   値 筆者の測定値 実際の値
Pin 1 DC V 54.9_______
Pin 2 DC V 2.52.48_______
Pin 3 DC V 3.5 - 4.54.1_______
Pin 4 DC V 54.9_______
Pin 6DC V2.52.47_______
Pin 7DC V00_______
Pin 8DC V2.52.48_______
Pin 9DC V2.52.48_______
Pin 10DC V54.9_______
Pin 11DC V3.5 - 4.54.1_______
Pin 12DC V2.52.47_______
Pin 13DC V54.9_______
Pin 14DC V54.9_______

ディバイダー - 出力

テスト環境

<a name=ディバイダー 出力

ミキサーテスト

テスト環境

ミキサーのテストは、別章で取り上げます。それまでの間、半田付け箇所とICの位置等を拡大鏡を用いながら細心の注意を払ってチェック願います。