FA-VA5 操作マニュアル - 単独使用編
(2018年7月11日時点)
Prepared by ICAS Enterprises
マスターキャリブレーション(校正)
FA-VA5では、キャリブレーション(校正)をOFFにして測定するモードが搭載されていますが、より高い測定精度を達成する為には、精度の高いSOLキットを使用してマスター校正をすることをお奨めします。
SOLの意味:
-S=ショート
-O=オープン
-L=ロード
付属のBNC SOLキット以外にも、下記の高精度SOLキットを使用することにより、より高精度な校正を行うことが可能です。
http://icas.to/vnwa3/lineup.htm#Section7
本例で使用する 高精度SOL-BNCキットに付属のデータは以下の通りです。
Male, simple VNWA model:
Delay = -261.74 ps (Load Delay)
R = 50.33 ohm (Load-R/Ohm)
C| | = 0 fF (Load-C/fF)
L = 3.12 nH
(Load-L/nH)
*キット毎に数値が変わりますので、必ず付属のデーターを参照願います。
BNCコネクター型SOL校正キットの共通数値:
Short-Delay/ps = -113.52 ps
Open-Delay/ps = -41.66 ps
*この2値は、BNCを使用する場合には常に固定です。(FA-VA5付属のSOLにもこの値を適用してください。)
SOL-BNCキットを使用したマスターキャリブレーション
事前設定 - Cal/Port Model Master
-FA-VA5の電源をONにし、最上階層画面から「Dwn」ボタンで下側にスクロールします。
-「Setup」が表示されましたら、「Sel」ボタンを押します。
-「Cal/Port Model Master」が表示されましたら、「Sel」ボタンを押します。
-「Dwn」ボタンで「Short-Delay/ps」を選択し、「Sel」ボタンを押します。
- この画面では、Short-Delay p/s値の -113.52 を入力します。「D/S」を押し、百の桁までカーソルを移動させ、「-]ボタンを一度押すと、百の桁は「-1」になります。同様に「D/S」を押して各桁の数値を「-」と「+」ボタンで設定後、最後の桁の入力終了後に「D/S」を押すと、数値の右に「ENT」と表示されますので、中央か右プッシュボタン(Entと表示)を押してください。先程のメニューに戻ります。
→
-同様に「Open-Delay/ps」、「Load-Delay/ps」、「Load-R/Ohm」、「Load-L/nH」の項目を設定してください。
-該当項目の設定が終了後、「Return」を選択し、「Sel」を押して「Setup」メニューに戻ってください。
*この設定は、マスターキャリブレーションを行う前に、必ず行ってください。マスターキャリブレーション後に設定したり、数値を変更すると、マスターキャリブレーションが無効になります!その場合は、再度最初からマスターキャリブレーションを行う必要がございます。
マスターキャリブレーションの実行
マスターキャリブレーションは、全体で約30分程かかります。一度設定すると、パラメーターが保存されますので、新たなキャリブレーションキットを使用する以外は、設定の必要はございません。
-「Setup」メニューが表示されている状態で「Dwn」ボタンを使用して、下側にスクロールします。「SOL All Frequencies」の項目を選択し、「Sel」ボタンを押します。
-「SHORT & Enter」と表示されますので、ショートBNCコネクターをFA-VA5のBNCコネクターに差し込み、「ENT」(左ボタン)を押してください。
-上記が終了すると、「OPEN & Enter」と表示されますので、オープンBNCコネクターをFA-VA5に差し込み、「ENT」(左ボタン)を押してください。
-上記が終了すると、「LOAD & Enter」と表示されますので、ロードBNCコネクターをFA-VA5に差し込み、「ENT」(左ボタン)を押してください。
*各々10分程度時間がかかりますが、途中で間違いに気づき、キャリブレーションを中断するには、「EXIT」と表示されている間に左ボタンを押してください。その場合は、Setupメニュー->SOL All Frequenciesから再度「Open & Enter」を選択し、最初から校正し直してください。
ご注意: 上記マスターキャリブレーション後、マスターキャリブレーションを有効にするには、Operating Mode->Setup->SOL画面に入り、SOL画面が「On」になっているか確認願います。「Off」になっている場合は、マスターキャリブレーションが有効になりません。
以上で、マスターキャリブレーションが終了しました。実際に高精度測定を行うことが可能となりました。
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