Spectrum LabをDC受信機で使用する方法

SDR受信機(ISDR-136-KIT/BLT)とBPF-136-KITを組み合わせることにより
もしくは、完成品のISDR-136-BPF-BLTは、 DC(ダイレクトコンバージョン)受信機と
して動作することが可能です。
Spectrum Lab と使用することにより、ノートブック等のMIC端子しか持たない
Windowsパソコンでもグラバーを構成することができます。従来、SDRを
Line-inで使用する場合には、外付けサウンドデバイスを増設し、その出力を
ARGO等に入力する為に、オンボードのMICに入力するか、VACを使用する方法
しかありませんでした。

まず、Spectrum Labをダウンロードしインストールしてください。使用方法に関しま
しては 弊社では一切サポートできませんので、各自英文マニュアルをお読みください。
http://www.qsl.net/dl4yhf/spectra1.html#download

以下は、ISDR-136-KIT/BLTとBPF-136-KITを使用した場合の設定方法です。
(ISDR-136-BPF-BLTも同様です。BPFをONにしてご使用ください。)
DC受信機局発: 125,000kHz (+/-要微調整)  (新OSCの場合は、130,000kHz
サウンドカード:  USB Soundblaster - Windows XPで汎用USBオーディオで動作
            Sampling Rate = 48kHz
  MIC入力使用         

1.ダウンロード後、インストールを行なってください。
  最初にSpectrum Labを立ち上げると以下の画面が表示されます。
  

2.[Quick Settings]より[Slow Morse Reception("QRSS")]の[Slow CW, 60 sec/dot]を選択
  します。
  
  
以下の表示がでますので、グラバーで使用したい中心周波数を入力します。
  DC受信機の局発周波数は、125,000kHzで、グラバーで受信したい中心周波数
  が、137,775kHzの場合は、12775と入力して、[OK]ボタンをクリックしてください。
  137,775 - 125,000 = 12,775 (Hz) 
   (新OSCの場合は、137,775 - 130,000 = 7775)
   
  以下の表示が出ますが、[いいえ(N)]を選択してください。(QRSS/DFCW送信を行う以外
   はNoとします。)
  


3.サウンドカードを設定します。

  [Options]メニューから[Audio settings, I/O device selection]を選択すると、以下の画面が
  表示されます。  [Audio Input Device] で、DC受信機に接続されているサウンドカードを
  指定します。 指定後、必ず[Apply]ボタンをクリックして設定を確定させてください。
  [Audio Ouput Device]も、同様に設定してください。
      
   

4.次に、サウンドカードのサンプリングレートを設定します。ここでは、48kHzと
   します。[Audio Processing]で、48000をプルダウンメニューから選択して
  [Apply]ボタンをクリックして確定します。 尚、音声処理システムに余裕がある
   場合は、[minimize latency]にチェックを入れてください。レイテンシーが改善
   される場合があります。
  
    

.FFTの設定を行います。[FFT]タブを選択すると以下の画面が表示されます。
  [Decimate input by (divisor)]には、プルダウンリストから[36]を選択、
  [FTT Input size ("lenth")]には、プルダウンリストから[65536]を選択してください。
   (以前書きました262144では値が大きすぎ、スムーズに動かない場合がございます)
  [Apply]ボタンをクリックして確定します。
  

6.次に、スクロールする時間を設定します。[Options]メニューの[Spectrum display settings]
   を選択します。
[Waterfall Scroll Interval]で、初期設定は[automatic]にチェックが入ってい
   ますが、チェックを外し、空欄にスクロールする時間間隔を入れてください。ここでは1200ms
   (1.2秒)の設定にしておりますが、お好みの時間を入力して[Apply]ボタンをクリックして
   ください。値が大きほどスクロールする時間が遅くなります。
  
   暫くすると、受信が開始されます。


7.振幅レンジを設定します。
   まず、ノイズフロアを確認します。Controlパネル(左上)を使用します。
  
  5∧と6∨を交互にクリックして、ノイズフロアを確認します。
   ノイズフロアが-120dBの場合を例に、以下の設定をしてください。
  
   [Amplitude Range & Spectrogram Options]の[Range]にそれぞれ
   -120と-70と入力します。(差が50dBぐらいに設定すると見やすい画面に
   なります。)
   [Offset]を用いる場合、ここに120と入力すると、-120dBが0dBとして
   表示されます。Rangeは、0と50に設定しなおしてください。
   設定が終了しましたら、[Apply]ボタンをクリックしてください。

8.現在表示されている周波数は、局発から何ヘルツ上かを表わしています。
   実際の受信周波数を表示させる為には、Controlパネルの[Offset]に局発
   周波数を入力します。 本例の場合は、125000と入力します。(新OSCの場合は130000

   サウンドカードや実際の局発のズレがありますので、実際に表示されている
   画面をみながら、微調整を行います。実際の周波数が表示されるまで
   入力後は入力欄が水色に反転します。白に戻ると実際の周波数に反映されます。
     
 

.上記8.までが終了しますと、以下の様な画面が表示されるはずです。
  
  一旦、[File]メニューから[Save Settings As]を選択し、構成を保存することをお薦め
   します。 (ここでは、137,777.15HzのLoran Cハーモニックラインが137,775.5Hz
   と表示されていますので、Offsetに 125001.65 と入力して較正する必要があります。)
   Soundblasterでは、このくらいの誤差がでてきます。Delta44(66)カードでは、殆ど局発
   のズレ以外は較正する必要がございません。

10.次にキャプチャーの設定です。[File]メニューから[Screen Capture] ->[Screen Captue
    Options] を選択しますと、以下の画面が表示されます。
   
   [Periodic Actions]タブをクリックして、キャプチャー間隔を設定します。
    15分の場合は、上記設定のままでかまいません。[Active]にチェックを入れ
    [Apply]ボタンをクリックして確定します。5分の場合は、15を05にしてください。
    次に、[Screen Capture]タブをクリックすると、以下の画面が表示されます。
   
   [Filename]欄に、キャプチャーを保存するパスを指定します。
   例: C:\Capture\capt としますと、CドライブのCaptureというフォルダーに
   capt00001から始まるJPEGファイルが保存されます。フォルダは、設定する
   前に作成しておいてください。上記例では、Spectrum Labがインストール
   されているフォルダー内のscreenshotsというサブフォルダーに格納されます。
   [Apply]ボタンをクリックして確定してください。[Ok]ボタンをクリックして、
   上記画面を閉じます。
   最後に [File]メニューから[Save Settings As]を選択し、構成を保存してください。

11.これでグラバーが完成しました。ネットにアップロードするには、ARGO UPLOAD等
    のアップローダーを使用します。以下のリンクに設定例がございます。
    http://icas.to/argo/argoupload-setting.htm

12.お好みに合わせて、Paletteを選択して自分好みのグラバーに設定してみてください。
    [File]->[Waterfall Color Palette]->[Select from list]
   

   又、ARGOとは異なり、Spectrum Labは、右側にある周波数スケールを上下に
   スクロールさせても、表示スペクトラムトレースはその周波数にとどまります。
   ウインドウサイズも可変可能ですので、ぜひ一度お試しください。

 

尚、本設定例はあくまで弊社の環境でのみテストしておりますので
ご使用の環境では必ずしも同じ動作をしない場合がございますが、
その場合は、英文取説等を参照願います。

Thanks to DL4YHF for a splendid software!