ロッドアンテナを使用した簡易型VHF用ダイポールの測定

本用例は初心者の方向けであり、実際 より正確な測定を行なう場合は、VNWAソフトウエアのヘルプ
ファイルを参照願います。


用意するもの
1. ロッドアンテナ 2組
2. SMAコネクタ・メス
3. SMAコネクタ・オス 両端付き 同軸ケーブル
4. プラスチックハンガー等のロッドアンテナを固定するもの


組立参考例





手順

1. VNWA3Eを、日本語クイックスタートガイドのマスターキャリブレーション手順に従い、キャリブレーション
  を行ってください。 尚、キャリブレーション時に、使用する同軸ケーブルまで含めてキャリブレーション
  を行ってください。 
2. 測定レンジを設定します。VNWAソフトウエアの下部中央にある [SPAN= xxx MHz] をダブル
  クリックしてください。
 
  上記画面で、測定したい中央周波数[Center] と、測定帯域 [Span] を設定してください。
3. 次に測定項目を設定します。ダイポールの場合、通常表示が必要な項目は、以下の通りです。
  S11 RealZ
  S11 ImagZ
  S11 VSWR
  この項目を測定するように、ソフトウエアの設定を行ってください。
4. 製作したダイポールと、VNWA3Eの [TX Out] ポートを、同軸ケーブルで接続します。
  RODアンテナの長さを、希望する周波数の長さに調整してください。
5. VNWAソフトウエアの右下にある [Single Sweep] ボタンをクリックすると測定が開始されます。
  [Continous] ボタンをクリックすると、連続してスイープが行われます。


測定結果
1. ROD長 約92cm - FM バンド用
1) Center= 80MHz, Span=100MHz

ImagZがゼロになる 80.6MHz 近辺で共振しているのがわかります。ダイポールの角度が広いため
インピーダンスは 70Ωぐらいです。 角度を狭めることにより、50Ωの同軸とのマッチングを行なうこと
が可能です。

2) Center=80MHz, Span=30MHz
  
実際、FMバンドで使用可能かどうかみるために、Spanを縮小してみました。受信だけですので、
76MHz〜90MHz帯域で実用可能なレベルと思われます。
マーカーは、画面上で右クリックし、Add Frequency Marker -> Normal で追加することができます。


ちなみに、VNWA3Eのスペクトラムアナライザー機能を使用して、本アンテナを実際に使用した場合の
例を下記に示します。
Option -> Operation Mode -> Spectrum Analyzer で、スペアナモードに
できます。この場合、アンテナからの同軸は [RX in] に接続してください。
CenterとSpanを実際に受信する範囲に設定してください。

東京都内で受信できるFM局の電界強度が表示されています。


2. ROD長 約60cm - エアバンド用
1) Center= 125MHz, Span=100MHz

ImagZがゼロになる 125MHz 近辺で共振しているのがわかります。ダイポールの角度が広いため
インピーダンスは 77Ωぐらいです。 角度を狭めることにより、50Ωの同軸とのマッチングを行なうこと
が可能です。

2) Center=125MHz, Span=20MHz
  
実際、エアバンドで使用可能かどうかみるために、Spanを縮小してみました。受信だけですので、
118MHz〜136MHz帯域で実用可能なレベルと思われます。



3. ROD長 約51cm - 2m アマチュアバンド用
1) Center= 145MHz, Span=100MHz

ImagZがゼロになる 145MHz 近辺で共振しているのがわかります。ダイポールの角度が広いため
インピーダンスは 65Ωぐらいです。 角度を狭めることにより、50Ωの同軸とのマッチングを行なうこと
が可能です。

2) Center=145MHz, Span=10MHz
  
実際、2mバンドで使用可能かどうかみるために、Spanを縮小してみました。アマチュア・バンド帯域
内では、送信も含めて実用的な範囲に収まっているようです。



===End of Contents===