ジャンクバーアンテナを使用した中波放送局受信用アンテナの測定

本用例は初心者の方向けであり、実際 より正確な測定を行なう場合は、VNWAソフトウエアのヘルプ
ファイルを参照願います。


用意するもの
1. バーアンテナ
2. ポリバリコン
3. ピックアップコイル用リード線
4. ワニ口クリップ付きSMAオスコネクタ


構成参考例





手順

1. 下記の通りVNWA3Eのキャリブレーションを行ってください。
  Center = 1000kHz, Span = 1500kHz
  Datapoints = 2000、Time per Sweep = 3.33ms
  に設定後、ワニ口クリップ等被測定対象物を測定する先端で、キャリブレーションを行います。

2. VNWA3E TX Outからのワニ口クリップを、ポリバリコンの両リードに接続します。
  VNWAソフトウエアのTrace を S11 LCR Meter に設定します。[Single Sweep]ボタンをクリックすると、
  ポリバリコンの容量が表示されます。
  片側いっぱいに回しきった時の結果
 

  もう片側に回しきった時の結果
 
 
3. 次に、ワニ口クリップを、バーアンテナのリード線に接続して、[Single Sweep] ボタンをクリックします。
  下記の表示になりました。
  
 
4. バリコンは、最小容量 10pF, 最大容量 278pF、バーアンテナのインダクタンスは 270μHですので、設計上
 下記の可変範囲が得られるはずです。
    583kHz 〜 3063kHz 

5. 次に、バーアンテナとバリコンを並列に接続し、2個の接続箇所を、TX Outからのワニ口クリップに接続します。
  Trace は、 S11 RealZ と S11 ImagZを測定できるよう設定してください。 (バリコンは、最大容量に設定)
  下記の測定結果になりました。
  
  共振点は、585kHzとなり、計算値と粗一緒の結果です。しかし、このまま 50Ωの受信機に接続するには
   インピーダンスが高すぎますので、バーアンテナのメインコイルの横にピックアップコイルをまいて、
   インピーダンスを落としてみます。

6. メインコイルの横に 3ターン ピックアップコイルをまきます。ワニ口クリップは、ピックアップコイル側
  に接続してください。
 
  共振点のインピーダンスが 25Ωまでに下がりました。VSWRは2ですので、実用上問題無い範囲です。

7. AM放送周波数の上限である 1600kHz近辺での様子をみてみましょう。[Continous]ボタンをクリックし、
  バリコンを容量が低い方に回し、1600kHzに共振点をもってくるようにします。
 
 多少インピーダンスが高いようですが、なんとか受信用であれば使える範囲です。

スペアナでの受信
実際に、電波が受信できるか測定してみます。 Options -> Operation Mode -> Spectrum Analyzer を開きます。
Center = 1000kHz, Span 1500kHz に設定します。 バーアンテナ側からのコネクタを、TX Out から RX In に
挿し替えます。 Trace を S21 dB に設定してください。 [Single Sweep] もしくは [Continous] ボタンをクリック
すると、下記のスペクトラムが観察できました。

バリコンは、594kHzが最大に受信できる容量にセット - 594kHz NHK 第一 (関東)


バリコンは、810kHz が最大に受信できる容量にセット - 810kHz AFN


おまけ
本機能は、VNWA3Eによりサポートはされていませんが、簡易的にAM放送を復調することができます。
Spectrum Analyzer モードのまま、Span = 0 に設定します。受信したい周波数から 300kHz を引いた
値を Center に入力してください。 例: 594kHz の場合 294 kHz = 594kHz - 300kHz


SDRソフトウエアを用意します。ここでは、HDSDRを使用します。

RX Input (from Radio) を USB AUDIOC CODEC に設定します。

LOを 000,000,000, Tune を 000,012,000, Mode を AM に設定し、Start ボタンをクリックすると、目的の放送局が受信できます。
バリコンを調整し、最大感度になるようにしましょう。 周波数は、HDSDRで制御できませんので、 VNWAソフトの Center で
調整してください。


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