初心者向けSpectrum Lab入門 (QRSS受信用)
(通常の市販受信機でも使用可能です。)

Spectrum Labは、世界中のLF愛好者に使用されているソフトウエアです。
設定がARGOより難しいということで敬遠されがちですが、一度設定が
できますと、非常に便利なソフトウエアです。みなさまもぜひ一度、
Spectrum Labを使用されてみてください。
尚、弊社では本ソフトウエアに関しますサポートは一切行うことができ
兼ねますので、マニュアルを参照するか、Yahoo US Group のSpeclab Group
でご質問等されてください。


まず、Spectrum Labをダウンロードしインストールしてください。
以下の図のとおり、受信機とWindowsパソコンの接続を行なってください。

ご注意: Windows上のサウンドプロパティーの[録音]で、MICもしくはLine-inを正しく選択してください。
       実際Line-inに受信機からのAF出力が接続されており、プロパティーの録音でMICが選択
       されている場合は当然のことながら正しい動作はしません。

AF出力ですが、当然SDRソフトウエアからのオーディオ出力でも構いませんが、その場合
サウンドカードが2枚若しくはVACが必要となります。

1.ダウンロード後、インストールを行なってください。
  最初にSpectrum Labを立ち上げると以下の画面が表示されます。
  

2.念のため、初期値設定に戻します。[Quick Settings]メニューから、
   [Restore all "factory" settings]を選択 してください。
  
  

3.Audio設定

  [Options]メニューから[Audio settings, I/O device selection]を選択すると、以下の画面
   が表示されます。  [Audio Input Device] で、受信機に接続されているサウンドカードを
  指定します。 指定後、必ず[Apply]ボタンをクリックして設定を確定させてください。
  [Audio Ouput Device]は、通常は使用しませんので、初期値のままで構いません。
      
  ◆bits/sampleは、通常は[16]で構いませんが、24ビットのカードの場合は、24にしてください。
  ◆PCのスペックに余裕がある場合は、minimize latency にチェックを入れます。
  ◆サウンドカードのサンプリングレートを設定します。ここでは、48kHzとします。
    [Audio Processing]で、48000をプルダウンメニューから選択して[Apply]ボタンをクリック
    して確定します。 
  
4.受信機をONにし、CWで標準電波(10MHz等)に合わせます。ここでは、CWフィルターの中心周波数は
   600Hzとした場合の説明を行います。
  
   600Hzを中心にスペクトルが表示されます。 ご参考まで、USBの場合は、
   以下のようになります。(フィルターが2.4kHzの場合) 
  
   
  上窓のスペクトルが見ない場合、又は、ノイズフロアが高すぎる場合は、
   画面左側のコントロールパネルの[5]又は[6]ボタンをクリックすることで
   見やすいレンジになるように調整してください。それでも表示が上手くいかない
   場合は、受信機のAFゲインで調整します。 
  

チェックポイント1:  ここまでで、600Hzに信号のピークが表示されない場合は、オーディオカード
              の選択が誤っているか、MIC又はLine-inの選択が誤っているか、オーディオ
              信号がPCの入力端子に届いていません(ケーブルの断線等が考えられます)。

FFTの設定
  上記のままでは、解像度が粗すぎますので、FFTの設定を行います。[Options]から
   [FFT]タブを選択すると以下の画面が表示されます。
  [Decimate input by (divisor)]には、プルダウンリストから[36]を選択、
  [FTT Input size ("lenth")]には、プルダウンリストから[65536]を選択してください。
  [FFT Input (same for all channels)]のプルダウンメニューから、[Complex, with internal frequency...}
  を選択します。
   [Center frequency]には、CWフィルターの中心周波数を入れます。ここでは、[600]と入れます。

  設定後[Apply]ボタンをクリックして確定し、[Close]ボタンで本メニューを閉じます。
  

7.上記の設定終了後、以下の画面が表示されます。
  
   ご注意! 左のコントロールパネルの[Default settings]が[Acquision]と交互に点滅している場合は、
          読込中でハングした様にみえますが、[Acquision]が100%になると動作が再開されますので
          少々お待ちください。
         

 

8.Spectrum(1)の設定
  上記の画面のままでは、QRSSには使いづらいので、ウォーターフォール画面の設定を行います。
  [Options]メニューの[Spectrum display settings]を選択します。
  ◆[Vertical Frequency Axis]にチェックを入れて、横向き画面にします。
  ◆スクロールする時間を設定します。
[Waterfall Scroll Interval]で、初期設定は[automatic]に
    チェックが入っていますが、チェックを外し、空欄にスクロールする時間間隔を入れてください。
    ここでは1000ms (1.0秒)の設定にしております。
  ◆スペクトル画面に、平均値を表示する場合は、[peak holding graph]にチェックを入れ、保持時間を
    入力します。ここでは[300]秒にしています。
  ◆ウォーターフォール画面の下に、時間を表示する場合は、[Waterfall Time Grid]にチェックを入れます。
    [enabled]にチェックを入れてください。 [Style], [Labels]は、お好みの表示方法をプルダウンメニューから
    選択してください。 [Interval]の[automatic]にチェックが入っている場合は、自動で表示されます。
    チェックを外して、空欄に秒数を入れることにより、その間隔で表示されます。
    設定後[Apply]ボタンをクリックして確定し、[Close]ボタンで本メニューを閉じます。
    
   暫くすると、受信が開始されます。


9.上記設定が終了後、以下の画面が表示されます。
  
   これで、粗600Hzで受信信号のピークを受信することができます。 受信機のダイアルを153,000Hz CWに
   変更して、以下の設定に進みましょう。 (すでに136kHz帯で既知の正確な信号源がある場合は、その
   周波数に設定してもかまいません。 ここでは、VORが比較的昼間も良好に受信できますので、153kHz
  で説明を進めます。 (VOR放送時間: 04:00 JST - 翌日 01:00 JST) 


チェックポイント2:
  10MHz等の標準電波がSpectrum Lab上で表示されていることが確認されている
              場合で、153kHzのVORが見えない場合ですが、アンテナもしくは受信機に問題があります。
              アンテナを変更調整するか、受信機を変更する必要があります。(あくまでも136kHz帯
              でのQRSSを受信することが前提ですので、VORの信号が見えないようであれば、QRSS
              の受信は粗無理だと思われます。)

10.Spectrum(2)の設定
  
受信機を153,000HzのCWに設定します。 実際にビートが聞こえるか耳で確認してください。
    聞こえない場合でも、Spectrum Lab上では確認できる場合がありますが、136kHz帯での
    QRSS受信を行う場合は、最低でもVORのビート音が聞こえる受信設備でないとQRSSの
    受信は無理とお考えください。(強力なローカル局であれば受信できる場合もありますが。)

   ビート音確認後、[Options]メニューからSpectrum(2) を選択してください。以下の画面が表示されます。
   
   ◆Amplitue Range & Spectrogram Optionsの[Range]ですが、左側にノイズフロアのdB数を
     を入力します。右側にはピーク値を入力します。50dBぐらいの差が見やすい値ですが
     アンテナシステムによっては、レンジを可変し好みの値に設定してください。
   ◆[Offset]は、通常はそのままで構いませんが、スペクトグラムを正の値で表示したい場合
     に使用します。図のRange設定の場合に[90]と入力し、[Range]をそれぞれ、[0]と[50]と
     再設定した場合は、-90dBが0dB, -40dBが50dBとして表示されます。
   ◆Frequecy scale style は、お好みをプルダウンメニューから選択してください。
    [Ruler]か[Classic]が選択可能です。
    設定後、[Apply]ボタンをクリックしてからこの窓を閉じてください。

 
11.周波数表示の設定
   現在表示されている周波数は、可聴ピーク周波数が何ヘルツかを表示していますので、実際の
    受信周波数をスケール上に表示させます。メイン画面の左にあるコントロールパネル上の[Offs]
    に、以下の計算式から求められる数値を入力してください。
   153,000(受信周波数) − 600Hz(CWフィルターのFc) = 152,400 
    [Offs]に[152,400]と入力すると、以下の画面になります。
   
  

   このままでは、目的周波数が見づらいので、画面中央に来るように設定します。又、QRSSの場合は、
    速度にもよりますが表示帯域幅を10Hz以下に設定します。(速いQRSSでは20Hzでもかまいません。
    お好みに合わせて設定してください。)
    ここでは、下限を152,995Hz、上限を153,005Hzに設定してみます。
    [Min]に[152,995]と入力します。最初は水色表示になりますが、しばらくすると背景が白に戻ります。
    [Max]に[153,005]と入力します。水色表示後背景が白になります。 
    上記設定後、画面は以下の様になります。
      
   通常の場合、画面が真っ白になりますので、再度表示ゲイン調整及び、カラーパレットで輝度とコントラスト
    を再調整します。
      5. ゲインを下げます。
      6. ゲインを上げます。
      7. 輝度を調整します。
      8. コントラストを調整します。


12. 周波数の微調整(申し訳ございません、以前の内容に誤りがありました
    サウンドカードや受信機の局発のズレがありますので、実際に表示されている
     画面を見ながら、[Offs]により微調整を行います。
     表示が 153,003の場合: [Offs]に[152397]と入力します。
     表示が 152,997の場合: [Offs]に[152403]と入力します。

ご注意! VORは、季節により周波数が変動します。
        夏: 最大で1.5Hz程度上にズレます。
        春秋: 数百mHz上にズレます。
        冬: 最大で数百mHz下にズレます。


     
 

13.上記設定が完了し、VORが順調に受信できるようになりましたら、いよいよ136kHzのQRSSの
    受信に挑戦しましょう。
   
   関東地方では、ロランCのハーモニックラインが137,777.15Hzで受信できますので、このラインが
    137,777.15Hzになるように[Offs]に数値を入力します。この例では、受信機が0.2Hzズレていますので、
    [137,177.2]という値になっています。 [Min]を[137,774.0]に、[Max]を[137,780.0]にしています。通常日本
    でのQRSS受信ではこの範囲が使用されています。
 

14.QRSS120の受信においては、8.の[Waterfall Scroll Interval]を[3000]mS程度にすると見やすくなります。
   又、お好みに合わせて、Paletteを選択して自分好みのグラバーに設定してみてください。
    Color Paletteをクリックするか、[File]->[Waterfall Color Palette]->[Select from list]
    からお好みのパレットを使用してみてください。

15.最後に、設定を保存します。
    [File]メニューから[Save settings as]を選択し、ファイル名を決めセーブします。
    以後、色々な変更を行った場合でも [File]->[Load settings From]からセーブしたファイルを読み込む
    ことにより、同じ設定を再現できます。



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